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口腔マイクロバイオームとは?

こんにちは。名古屋市名東区猪子石のたかはた歯科 院長の高畑です。

 

いつものゴールデンウイークは妻の実家に家族で遊びに行くのですが、今回は自宅で大人しくしていました。長期の休みでどこにも行かない、というのも初めての経験で新鮮でした。

個人的には特に退屈はしませんでした(笑)。

 

 

さて、お休みの間に読んだ本についてお話ししていきます。

「大事なコトだけまるわかり!口腔マイクロバイオーム」

著 伊藤 中  足本 敦  小島 美樹

 

という本です。かなり砕けたタイトルですが、シンプルにわかりやすい内容でした。

マイクロバイオーム、聞いたことがあるかもしれませんが、宿主と細菌がかかわりを持ち、相互に作用しあう概念の事のようです。

人の体の中には100兆個もの細菌が生息しているそうです。人の体の細胞の数は40兆個くらい、と言われているので細胞の数より多いんですね!これだけでも結構びっくりです。

 

人と常在細菌は一緒に生活しながらお互いに利益を得ています。これをシンバイオシス(symbiosis:共生バランスの維持)といいます。人は宿主として常在細菌に住む場所と栄養源を与えます。一方、常在細菌は人の体を正常に保つ生理機能をコントロールしています。

つまり、お互いの平衡状態(バランス)を保つことが、私たちの健康維持に欠かせないといえます。 細菌がいるとなると、汚いとか危ないという気がしてしまうかもしれませんが、細菌は本当に膨大な種類のものがあり、人間にとって有益になるものもあるという事です。

マイクロバイオームの平衡状態が崩れて、細菌構成に異常をきたした状態をディスバイオシス(dysbiosis:共生バランスの崩壊)といい、これが体に色々な異常、病気をひきおこしていきます。例えば、大腸炎や動脈硬化、肥満、糖尿病、アレルギーなどに関係していると言われています。お口の中では、虫歯や歯周病に関係します。

 

例えば、虫歯菌として有名なミュータンス菌のようなう蝕に関連した細菌は、常在菌つまり基本的には誰のお口の中に存在しています。良い状態のお口の中では、虫歯を引き起こす細菌が、ごくわずかに存在するものの他の細菌に押されて勢力を拡大できないような状態になっています。この状態が崩れて全体の中での割合が増えてしまった結果が、虫歯として現れてしまいます。

 

歯周病においても、生体と細菌のバランスが崩れてしまっている場合、進行が加速してしまうようです。日々患者さんを診ていても、歯ブラシなどをがんばっていてお口の中がきれいにされていても、あまり状態の改善が見られない患者さんが一定の割合でいらっしゃいます。おそらくこのあたりのことが大きく関連していると思われます。

 

また、親から受け継いでしまう部分と、後天的に変化していく部分があるようです。双子の患者さんの一人は健康なお口の中で、もう一人は歯周病が進行してしまうケースがこの本に載っていました。考えられる原因は喫煙。歯周病菌の影響力を高めてしまうようです・・・  違う見方をすれば、ご両親の歯が悪いからと言って、あきらめる必要はないという事ですね。さまざまな状態があるので、一概に何をすれば良くなると言えない部分が大きいようです。将来的に、検査のようなもので分析して、個人個人の状態を把握して、サプリメントのようなもので足りない細菌を補うようなこともできるかもしれませんね。

 

もう一つ、この本の中で書かれていたことで、虫歯菌や歯周病菌に対して抗生物質を使用することについて書かれていました。要約すると、口の中にだけ効く薬というものはありません。当然全身にいきわたっていくものです。人にとって悪い菌をやっつけてくれますが、良い菌もやっつけてしまいます。頻繁に使用してしまった場合、抗生物質の聞きにくい細菌が残っていきます。その残った菌が、都合よく人にとって有益な細菌だけ残る保証はどこにもないので、そのリスクを考えたうえで、慎重に使用すべきだという事でした。また、それに伴って生活習慣の改善などを行わなければ、やはり数か月で細菌の構成は元にもどってしまうので、早い話もとに戻ってしまうだけ、という事なので、歯ブラシなどによる機械的なプラークコントロールが大前提です。

 

日頃の歯ブラシの習慣(ホームケア)と食生活を含めた良い生活習慣、歯科医院でのメインテナンスをうけて、喫煙などの習慣を避ける。当たり前と言えば当たり前ですが、結局王道しかないという事ですね!

 

最後に一つ、AMR(Antimicrobial Resistance)についても触れられていました。

抗生物質が多用されることで、耐性を持つ細菌が出てきてしまい、日常的な感染症でさえ治療が難しくなってしまうことが懸念されています。2050年にはガンよりもおおきな問題になると言われており、対策としては「無駄な抗生物質は使用しないこと。」のようです。

必要な時に必要な量を適切に使用していこうと思います。

 

 

 

 

 


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